日本三名橋のひとつと言われる錦帯橋。
その素晴らしさはその姿の美しさだけではなく、江戸時代に作られた橋が、長い間流失することなく人々に利用されてきた頑丈さです。
「流されない橋を作りたい」という藩を挙げての強い思いが、当時の技術を結集して作り上げた錦帯橋。
今回は橋のアーチや橋脚の構造、技術の伝承などについてご紹介します。
錦帯橋のアーチの構造

5連のアーチからなる錦帯橋は本当に美しいですよね。
錦帯橋は世界的にも珍しい、木造のアーチ橋として知られており、現在は6種類の木材を適材適所に使用しています(マツ、ヒノキ、ケヤキ、ヒバ、クリ、カシ)。
5連のアーチのうち、真ん中の3つのアーチは完全なアーチですが、端の二つのアーチは平らに近いアーチになっています。

中央の3連は、迫持式(せりもちしき)といわれるアーチ構造。このアーチ構造は長崎の眼鏡橋も同じです。
小さめの石やレンガを、両側から徐々にもち出して円弧状に積み上げ、上からの重さをしっかりと支える構造です。
(引用元:岩国市公式観光WEBサイト)
錦帯橋の場合、アーチを構造する最も大切な部材を、桁(けた)といいます。アーチの半分部分に1番桁から11番桁まで、11本の桁が使われています。
1番から4番までの桁は、隔石(へだていし)という石を使って橋脚に固定していました。
昭和の再建時には沓鉄(くつてつ)といわれる金具が使われています。
2番桁からは桁の間に楔を挟んで勾配を緩め、桁先を迫り出していきます。そして両側の橋脚から延ばした桁の間に棟木を入れて、アーチの半分と半分を結合します。

昭和の再建では、アーチ部分は陸の上で仮組をして微調整をし、それから河川の上でスムーズに組めるようにしていたそうです。
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流されない橋脚の構造
橋脚が少ないアーチ橋は、川幅の狭い場所にかかるものでした。
川幅の広い錦川に架けるにはどうすればよいか…、錦川に橋を架けることを悲願とした藩主・吉川広嘉は悩みます。
ある日、西湖について書かれた本『西湖志』を見た藩主。本には5つの小島にかかる小さなアーチ橋が描かれていました。
そこから(錦川に小さな島をいくつか作ってアーチを架ければいいのだ)とヒントを得たのです。

その「小さな島」が、橋脚です。
川床にマツの杭を打ち込み、そのうえに石を積み上げます。
橋桁の外部には石を積み上げ、内部には川石や土など埋め込んでいます。
こうして積み上げた石の島と、木でできたアーチの橋桁をつなぎ合わせます。

桁を受ける箇所には隔て石を取り付け、桁を受けます。その上に、重しとして大きな石を乗せ、周りを土で固めました。
土を使うことで、土の部分が朽ちてしまうことから、およそ20年ごとに架け替えが必要だったそうです。
錦帯橋は100回以上にも及ぶ改修を行っていますが、なるほどこのためだったのですね!
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錦帯橋を維持する技術の伝承
何度も行われる改修は、大工技術を伝える機会でもありました。
書いて伝えるのではなく、言葉で伝える「口伝」による技術の伝承です。
木材ひとつひとつを見て適材適所に配置する技術や、反りやたわみを微調整する技術など、錦帯橋を支える技術は、歴代の大工さんの口伝が支えてきました。それは令和になった今でも変わりありません。
現在は、橋脚内部にクリートを作っているため、朽ちることが少なくなりました。
次の架け替えは50年後になっているそうです。
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錦帯橋には1本も釘が使われていないの?
「錦帯橋には1本も釘を使っていない」と聞いたことがあるのではないでしょうか。
わたしもそう聞いており、「釘を使わずにこんな大きな橋を作るなんて!」と思っていました。
しかし、実はたくさんの釘が使われています。
平成の架け替えの時に使った和釘、かすがいはなんと29,000本弱!
昭和のキジア台風で流失する前の旧橋にも、しっかりと釘は使われていました。
一説によると、アーチの桁を組み上げる際に、釘を使わずに巻金(まきがね)という帯鉄(おびてつ)によって各部材を束ねて固定していることから、このような「1本も釘を使っていない」という表現が生まれたのではないか、といわれています。
どちらにしても、素晴らしい技術が合わさって生まれた名橋です^^
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まとめ
錦帯橋を支えるアーチ構造や橋脚についてご紹介しました。
建築については全くわからないので、石の橋脚にどうやって木の橋桁をくっつけたんだろう?とか、河川の上でどうやって作業したんだろう?と疑問がいっぱいでしたが、調べることで、当時の人々の工夫や技術の素晴らしさを知ることができました^^
世界的に珍しい木造アーチ橋の錦帯橋。これからの未来にも、郷土の誇りとしてその姿を維持していきたいですね。
