こんにちは、防府市の主婦なんたんです^^
「赤間硯」(あかますずり)をご存じでしょうか。
赤間硯は1976年(昭和51年)に国指定伝統的工芸品に指定された、山口県を代表する歴史ある工芸品です。
中国では古くから、筆・墨・紙・硯を「文房四宝(ぶんぼうしほう)」と呼び、大切にしていきました。
硯はそのひとつですが、日常生活では目にする機会が少なくなってきました。
硯と聞くと、四角くて重い書道道具を思い浮かべる方も多いかもしれません。今の子どもたちに至っては、プラスチック製の硯しか見たことがない、ということもありそうです。
そんな中、地元山口県では何百年も前から、職人の手によって丁寧に赤間硯が作られてきました。
この記事では、伝統工芸品「赤間硯」について、歴史や産地、特徴や体験などについて調べてみました。
※記事内の写真は「おいでませ山口へ」フォトダウンロードから使用しています。
※記事内容は、執筆当時の情報です。最新情報はご確認ください。
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赤間硯とは?歴史や産地を解説

赤間硯は、宇部市西万倉(にしまぐら)で採掘される赤間石を使って作られる硯です。
赤間ヶ関(現在の下関)で作られ始めたので、その名がついたとされています。
赤間硯の歴史は古く、800年以上も前から製造が始まっており、鎌倉時代の初期には、鎌倉の鶴岡八幡宮に奉納されていたとの記録が残っています。
江戸時代には原料となる石が採れる山は御止山(おとめやま)として入山を禁止され、赤間硯はめったに手に入らない貴重品となっていました。参勤交代などで贈り物として必要になると、藩主の命令で石が掘り出されていたそうです。

赤間硯の原料になる赤間石が採れる地層は限られており、下関市前田あたりと宇部市西万倉あたり一帯でした。
江戸時代まではおもに下関で採石、製造していましたが、次第に採石が難しくなり、江戸以降は西万倉で作られるようになりました。産地が徐々に変遷してきたのですね。
明治時代になると書道が庶民にも広がり、それとともに赤間硯も多く作られるようになりました。
多いときは200~300人もの職人がいたのだそうですが、現在、宇部市西万倉で製造、販売しているのは2軒。
日枝玉峯堂(赤間硯組合)とくすのき製硯(下井さん)です。
くすのき製硯は2020年4月に工房が火事で全焼してしまったそうで、現在、復帰を目指していらっしゃるとのこと。
貴重な工芸品の伝統が受け継がれていくことを願っています。
赤間硯の特徴や魅力は?

赤間石で作った硯は、きめが細かいため墨の発色がよく、早く墨をすることができ、さらっとのびがよい墨汁ができるため墨切れしにくいといわれています。
原石である赤間石は赤い色の石で、日本でもここだけにしかない石です。
固い粘土質の石で、手作業で掘るのですが、とても力のいる作業なのだそう。

赤間硯はなんと、職人さんが自ら採石して本当に一から作り上げます。
しかも、これまでの職人が掘り進めてきた坑道をさらに掘り進め、適した赤間石を採ってくるのです。
職人さんは石の選定や火薬の取り扱いなどもあり、採石できるようになるのに10数年かかるのだとか。
原料の掘り出し、選定から職人さんが行うとは、代々受け継がれた貴重な伝統の技としか言いようがありません。
赤間硯の販売店や価格帯
お値段は?
採石から手がけている赤間硯、その平均価格は4470円だそうです(ヤフオク!による)。
品物によっては千円代ものから数万円のものまで。
職人さんにより特徴もあり、作られた時代、職人さんによって価格も変わってきます。
赤間硯は実用品ですが、伝統の技を要する芸術品です。
最近ではプラスチック製の硯が主流になっているので、硯に関心のない方にはこの価格はびっくりするものかもしれませんね(;^_^A
どこで手に入る?
赤間硯は山口県内のJR主要駅お土産店、秋吉台大正洞入口の清風苑、光ギフトセンターなどで取り扱っています。
芸術品として愛好家にも人気があり、ヤフオクやAmazon、楽天などの通販サイトでも取り扱われています。
また赤間硯は、宇部市のふるさと納税の返礼品にもなっていますので、下記ホームページをのぞいてみられてくださいね。
硯づくり体験もできる・赤間硯の里
宇部市西万倉地区では、作品の制作の様子を見学、制作の体験を行っています。
製作体験は通年行っており(要予約)、簡単なペンダントから本格的な硯まで、希望に応じて製作することができます。
駐車場、トイレや休憩所も用意されていますよ。
| 所在地 | 宇部市西万倉岩滝793番地 |
| 利用時間 | 9:00~17:00 ※見学には事前予約が必要 |
| 休日 | 年末年始(他、不定休) |
| 製作体験 | 服装:動きやすく汚れてもよい服 費用:要相談 |
| 問い合わせ先 |
山口県赤間硯生産協同組合(代表理事:日枝敏夫) |
「星野リゾート 界 長門」でも赤間硯体験
長門市湯本温泉にある「星野リゾート 界 長門」では、赤間硯ですった墨を使って、扇子型の和紙に絵や文字を綴る体験を行うことができます。
詳しくは「星野リゾート 界 長門」のホームページをご覧ください。
まとめ
今回は赤間硯をご紹介しました。
若い頃、旅先で硯を買ったことがあります。
蓋つきの美しい硯を見て一目ぼれ。重い石でできた硯を、自分のお土産にと買って帰りました。
旅先で硯に出会うまでは、硯は実用品だと思っていました。
それが、こんなに素晴らしい芸術品にもなるなんて、と、思わず手に取って数千円を投じた自分。
赤間硯についてテレビで放送されているのを見て、そんな昔の自分をふと思い出しました。
恥ずかしいことに地元民でありながら、赤間硯にはほとんど関心を持ったことがありませんでした。
でもきっと、旅先で出会った硯のような感動を与えてくれるのが赤間硯なのではないかと思います。
ひとつひとつ手作業で彫り上げ、磨き上げる手間ひま。その中に込められた思い。
地元の伝統工芸品をもっと知りたい。
その思いがムクムクわいてきました。つぎは宇部市楠町にある赤間硯の里に足を運んでみたいです!