「めげる」と聞くと、「落ち込む」「気持ちがくじける」。
そんな意味を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
それが山口県では、ちょっと違います。
ものが壊れることを、「めげる」というのです。
しかし山口県には、「壊れる」ことを表す方言が、「めげる」の他にもう一つ存在するんです。
それは「やぶれる」。
どちらも標準語にある言葉なのに、山口県では少し違う意味で使われていることが面白いですよね!
この記事では、方言「めげる」の使い方と、「やぶれる」の意味や使い方についてもご紹介します。
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「めげる」とはどういう意味?
「めげる」の意味・使い方は?
「めげる」の基本的な意味は「壊れる」「物がだめになる」です。
具体的には、次のように使います。
- 「めげる」例文
- ☆車がめげたぁや(車が壊れたじゃないか)
☆コップがめげるから気をつけて(コップが割れるから気をつけて)
☆もう腰がめげそう(もう腰がだめになりそう)
物に対して「めげた」場合に加えて、山口県では身体の状態にも「めげる」を使います。
「めげる」の使い方は、地域や人によって少し違うようです。
山口県で生まれ育っていますが、わたし(下関出身)はどちらかというと、「めげる」といえば、「腰がめげる」という表現をよく聞いてきた気がします。
「車がめげる」の意味はわかりますが、周りであんまり耳にしてこなかったかも…。
夫(防府出身)は、車やテレビといった大きな機械ではなく、コップや時計など、小さな形あるものに対して「めげる」を使っているような気がするそうです。
「腰がめげる」も使うなあ、と言っていました。
山口県内でもそれぞれの地域で、「めげる」を使うニュアンスが少しずつ異なるのかもしれませんね。
標準語での「めげる」とは意味が違う
標準語で「めげる」は、「弱る」「元気がなくなる」を意味します(小学館/学習国語新辞典より)。
方言の「めげる」が、おもに物に対して使われるのとは異なり、標準語では心や気持ちに対してのみ使われています。
- 標準語「めげる」例文
- ☆失敗してもめげずに頑張る
☆寒さにめげずに働く
☆もうめげそう
おもに、「めげずに」という否定形で使われることが多いかもしれませんね。
「めげる」の語源は?
「めげる」は、もともと「壊れる」の意味の方が古くからあったとされています。
本来「ものが壊れる」という意味から転じて、「心が折れる」「気力が失われる」という意味になったのだそうです。
方言だと思っていた意味の方が、実は昔から使われていたとは!
思っていた順番と違って、驚きですね。
山口県では「やぶれる」も「壊れる」の意味で使う⁉
「やぶれる」の意味・使い方は?
山口県では、「やぶれる」も「壊れる」の意味で使われます。
- 「やぶれた」例文
- ☆時計がやぶれた(時計が壊れた)
☆テレビがやぶれた(テレビが壊れた)
え?どうしてテレビがやぶれるの? って
わたしにとって、ものが壊れるときに使うのは、「めげる」よりも「やぶれる」の方が身近だった気がします。
「やぶれる」の語源は?
標準語で「やぶれる」は、布や紙がさけるなど、物の形がなくなることに対して使われる言葉です。
山口県で使う「やぶれる」の意味とは、かなり違いますね。
もともと「やぶれる」には、下のように2つの意味があったそうです。
- 「やぶれる」
- 1.物の形が壊れる
2.物の機能が損なわれる、ものごとがダメになる
その後、2.の「物の機能が損なわれる」という意味が、日常であまり使われなくなり、方言として残っていったのだそうです。
2.の「ものごとがダメになる」の意味は、「夢やぶれる」のように今も標準語として使われていますね。
「めげる」と「やぶれる」の違いは?
| めげる | ものが壊れる全般 欠ける、割れるも含む 身体の状態に対しても使う(腰がめげる) |
| やぶれる | おもに機械類が壊れる ダメになる感覚が強い |
めげるとやぶれるの使い分け、地域差や個人差、年代による違いもあるのかなと思います。
みなさん、いかがでしょうか。
まとめ
今回は、山口県で「壊れる」を意味する方言「めげる」「やぶれる」をご紹介しました。
わたしは親世代がよく使っていたのを耳にしていましたし、自分たちもたまにポロッと使ってしまう、思い出のあるあたたかい言葉です。
子どもたち世代はなかなか耳にすることもないようで、「めげるって知ってる?」と聞いても、「知らない」とのこと。
きっと「やぶれる」に「壊れる」の意味があることを伝えたら、びっくりすることでしょう…。
方言はその土地の暮らしや歴史、文化が残る言葉。
「やぶれる」も「めげる」も、これからどんな進化をとげるかはわかりません。
ですが、子どもたちにも知っておいてほしい山口の言語文化だと思います。
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